ニュースリリース

2016.10.04

貴田みどりさんの講演とワークショップを開催しました。

 10月1日、2日の両日、島根県ろうあ連盟との共催で「第9回手話まつり」を開催しました。
 初日の1日(土)は、島根県社会福祉事業団の地域貢献活動として、聴覚に障がいのある女優・貴田みどりさんに、「新たな言語との出会い ~手話。その魅力と可能性~」と題してご講演いただくとともに、「より伝わる手話とは?」とのテーマで手話学習者を対象としたワークショップを行っていただきました。

貴田みどりさん講演1
貴田みどりさん講演2-1

 講演では、手話と出会う前と後の生
き方の変化や、現在の女優としての生活などについてお話がありました。

 貴田さんは、以前、右耳に少し聴力
があり補聴器を使っていた頃、友達との会話でも、学校の授業でも、聞き取れないことがよくあり、分かったようなふりをしていたそうです。そうした孤独や苦痛から、学校に行かないこともありました

 そんな貴田さんが変わったのが、15歳の時、ろうの人たちが手話で生き生きと歌を歌っている姿を見てからです。自分だけではないのだと孤独感が消え、気持ちが切り替わって、前に進む気持ちになれたそうです。さまざまな国に行き、その国のろう教育や手話を学んだりされました。そして「絶対に無理」と言われた女優に挑戦することになり、数少ないろう者の女優として、後に続く仲間を増やし、芸能にかかわる多くの人々の意識を変えていくべく、現在も挑戦を続けているとのことです。

 ワークショップでは、まず貴田さんが劇団での稽古の前に必ず行っているという、左右の手で違う動きをする練習を行いました。これを行うことで、手がちゃんと頭で考えているように動くようになるそうです。

貴田みどりさんワークショップ1

 次に、ゲーム形式でジェスチャーにより言葉を伝える訓練を行いました。手話を用いず、ジェスチャーで言葉のイメージを伝えることで、手話に必要な豊かな表現力を身に付けることが狙いです。
 参加者からは、「どんなことをするのかちょっと心配だったけれども、とても楽しかった。1時間があっと言う間に過ぎた。」といった感想が聞かれました。

 センターでは、共生社会の実現を目指して、引き続き視覚障がい、聴覚障がいに対する地域の皆様の理解と関心を高めるための取組を進めてまいります。